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新NISAの口座を作れるのは一人につき一口座までです。別の金融機関で新NISAを始めたい場合は金融機関を変更する必要があります。
ただし、この金融機関変更には手続きが必要だったり、決まりごとがあります。この記事では新NISAの金融機関の変更(移管)ルールや手続きの方法をわかりやすく解説します。
■目次
新NISAの金融機関(NISA口座)を変更する際に覚えておきたいルールが3つあります。
新NISAの金融機関を変更できるのは年に1回だけです。
手続きの受付期間は変更したい前年の10月1日~翌年の9月30日まで。金融機関によっては手続きの受付を9月半ばに締め切るところもありますから、各社の公式サイトなどで受付期間を確認すると良いでしょう。
新NISAですでに投資をしていると、その年中に新しい金融機関に変更することはできません。2025年を例に見てみましょう。
条件1 | 2025年中に一度も買い付けを行っていない |
---|---|
条件2 | 2024年10月1日~2025年9月30日に変更手続きを完了させる |
2025年中に新しい金融機関で新NISAを始めるには、その年(2025年中)に新NISAで1度も投資信託や株式などの買い付け(購入)をしていないことが条件になります。なお、条件は「買い付け」だけで、商品の売却は行っても問題ありません。
ちなみに、2025年中にすでに投資をしている場合はその年(2025年中)に新しい金融機関で新NISAを始められませんが、翌年(2026年)から金融機関を変更することは可能です。
新NISAの金融機関を変更する時に、今まで投資してきた商品をそのまま新しい金融機関に移管する(持ち越す)ことはできません。たとえ同じ銘柄を運用したいと思っても、新たに買い直すことになります。
ちなみに前の金融機関の商品は前の金融機関でそのまま保有できます(新NISAの非課税メリットもそのまま)。前の金融機関の商品は保有を続けるのか、タイミングを見て売却するのか、戦略を考えておくと良いでしょう。
ではここからは、新NISAの金融機関の変更を行う際の流れを見ていきましょう。
NISA口座を開設している金融機関のWebサイトなどから、「金融商品取引業者等変更届出書」を取り寄せます。必要項目に記入して金融機関に返送しましょう。1~2週間ほどで「勘定廃止通知書」(または非課税口座廃止通知書)が郵送で届きます。
新しい金融機関に総合口座を持っていない人は、証券会社なら「証券総合口座」、銀行なら「投資信託口座」をまず開設しましょう(NISA口座開設と同時に申し込める金融機関もあります)。
続いて「NISA口座開設」を申し込みます。新しい金融機関に「勘定廃止通知書」(前の金融機関から届いた書類)、「本人確認書類」や「マイナンバーが確認できる書類」を提出します。
税務署審査(2週間程度)を通過すると、新しい金融機関から晴れてNISA口座開設が案内されます。
新NISAでは金融機関ごとに商品ラインナップが異なるため、変更する金融機関によっては投資をする際の選択肢を増やすことができます。
例えば、銀行から証券会社に金融機関を変更すると個別株式に投資できるようになります(銀行では個別株式には投資できない)。投資信託はどの金融機関の新NISAでも投資できますが、取り扱っている銘柄や本数が異なります。
つみたて 投資枠 (つみたてNISAと同じ) |
成長投資枠 | |||
---|---|---|---|---|
投資信託 | 投資信託 | 株式 | ||
大手 ネット証券 |
三菱UFJ eスマート証券 (旧:auカブコム証券) |
241本 | 1,143本 | 〇 |
SBI証券 | 252本 | 1,320本 | 〇 | |
松井証券 | 247本 | 1,160本 | 〇 | |
マネックス証券 | 236本 | 1,213本 | 〇 | |
楽天証券 | 243本 | 1,316本 | 〇 | |
大手 総合 証券 |
大和証券 | 36本 | 199本 | 〇 |
野村證券 | 20本 | 473本 | 〇 | |
みずほ証券 | 12本 | 72本 | 〇 | |
大手 銀行 |
三菱UFJ銀行 | 24本 | 392本 | × |
ゆうちょ銀行 | 15本 | 61本 | × | |
みずほ銀行 | 16本 | 125本 | × | |
りそな銀行 | 18本 | 100本 | × | |
三井住友銀行 | 4本 | 97本 | × |
※新NISAナビ調べ(2025年2月7日時点)
ちなみに新NISA対象銘柄であっても、特定の金融機関でしか取り扱っていないものも存在します。すでに投資したい銘柄が決まっている場合は、変更先の金融機関で取り扱いがあるか確認してから変更手続きを行うようにしましょう。
新NISAの成長投資枠で投資できる商品は金融機関によって、取引手数料がかかるところもあれば無料のところもあります(つみたて投資枠の対象銘柄はどこの金融機関でも取引手数料無料)。変更先によっては、手数料を前の金融機関よりも低く抑えられます。
また、投資信託を保有しているとかかる「信託報酬(投資信託の手数料)」も銘柄ごとに異なります。
新NISAの金融機関は商品ラインナップ(投資したい銘柄があるか、信託報酬が低い銘柄があるか、など)や手数料設定をチェックして変更先を選ぶと良いでしょう。
新NISAの金融機関を変更する手続きには、2~3週間ほどかかる場合があります。
手続き方法の詳細は前述のとおりですが、変更前と変更後それぞれの金融機関への申請に郵送で書類を届ける上に税務署の審査を受けるといった工程が必要です。これによって、どうしても時間がかかってしまいます。
新NISAの金融機関を変更する際は一定の時間がかかることを念頭において、早めに手続きを行うようにしましょう。
最後に、新NISAの口座(NISA口座)を開設済みかどうか判断する方法を紹介します。「NISA口座を開設済みかわからない」「新規でNISA口座を開設しようと手続きしたら、開設済みで無効になってしまった…」という方は参考にしてくださいね。
NISA口座をどこで開設したかわからない場合、対処法は2つあります。
NISA口座をどこで開設しているかは国税庁の国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用することで確認できます。
e-Taxはマイナンバーカードでログインするか、マイナポータルの「もっとつながる」機能で連携すると利用できるようになります。NISA口座の開設状況はe-Taxのマイページの「NISA」でチェックできます(詳しくはこちら)。
e-Taxで調べられなかった場合は最寄りの税務署でNISA口座の開設状況を確認しましょう。
税務署の窓口に身分証明書と印鑑を持参して「非課税口座の開設先金融機関に関する確認依頼書」を記入し、提出しましょう(郵送で確認することも可能)。後日NISA口座を開設している金融機関から回答があります。
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参考サイト・たあんと
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